旧満州
日中友好訪問団・東北地区(総括団長・國政隆昭本会常務理事・鳥取県遺族会会長、全国の遺児代表17人)は8月1日、東京・靖国神社内の靖国会館に集合し結団式を行い、翌日2日、羽田空港を出発し北京に向った。
到着後、2班に分かれA班はハイラル、アロンキ、ウランホト、瀋陽(旧奉天)方面へ、B班は、悪天候により当日の飛行機がキャンセルとなり北京に一泊し、翌日から黒河、牡丹江、延吉等、広大な地域をバスや航空機を利用するなどして、亡き父の縁の地を訪れ、それぞれ遥拝した。
また、慰霊祭はホテルの一室で行い、故郷から持参した思い出の品々や家族の写真を飾り、亡き父へ涙ながらに語りかけるとともに、同地域で散華された多くの英霊の冥福を祈った。
社会奉仕としてA・B両班は、瀋陽市郊外の青年苗園にて桃の木を植林し、訪問団のもう一つの目的である環境整備活動に努めた。
9日夜には、在瀋陽日本国領事館代表、遼寧省青年連合会常務委員の幹部らを招いて、懇談会を開催し現地の関係者と意見交換を図るとともに、友好を深めた。
全日程を終了した一行は所期の目的を果たし、それぞれの思いを胸に秘め、10日帰国した。
旧ソ連
池中征司本会監事を総括団長とする旧ソ連慰霊友好親善訪問団は、8月19日全国の遺児代表11人が東京の靖国会館で結団式を行い、翌20日シベリア抑留で亡くなった父の慰霊のため、ロシアの ハバロフスクを経由し、それぞれ縁の地へ向かい第一歩を印した。
A班は、ハバロフスク市南方のビギン、コムソ モリスクと同地から車で三時間の陸路途絶の地グルスコエ村、アムール州境近くのクリドールの埋葬地跡でそれぞれ慰霊祭を行い、亡き父への思い を語りかけるとともに、懇ろに霊を弔った。
B班は、チタ州の第24収容所ノーヴァヤ駅埋葬地跡、同収容所カリムスカヤ病院跡、イルクーツク、リストビアンカで亡き父の冥福を祈った。
現地での友好親善では、コムソモリスク、ハバロフスク州ビロビジャン、チタで病院や孤児院、身障者施設を訪問し車椅子や団員が持ち寄った学用品と衣料品など贈呈、また施設敷地内で記念植樹行った。
26日、ハバロフスクの日本人死亡者慰霊碑で、在ハバロフスク日本 国総領事館総領事参列のもと、追悼式を挙行した。
27日墓参と慰霊と友好親善の初期の目的を果たし、無事帰国の途についた。
日本遺族会は6月10日、第10回評議員会、第18回理事会を東京千代田区の靖国会館で開催した。第10回評議員会では、評議員の一部改選、理事の選任、平成30年度計算書類等が諮られ、何れも承認された。第十八回理事会では、任期満了に伴う役員改選が行われ会長、副会長等新役員が全会一致で決定した。
第10回評議員会は午後一時に始まり、水落敏栄本会会長(参議院議員)の挨拶の後、議長に静岡県の大石功氏が選出され議事が進められた。
はじめに評議員の一部改選、理事の選任諮られ、何れも原案通り承認された。その後、平成30年度計算書類等について諮られ承認された。また、英霊顕彰・処遇改善運動の経過並びに運動方法、令和二年度政府予算に対する本会の要望事項等報告された。
午後3時30分からは、第18回理事会が開催され、議長に狩野安理事が選出され、任期満了に伴う役員改選について審議された。
会長、副会長、専務理事の選定については、本会に設置した役員選考委員会の國政隆昭委員長(鳥取県)が、4月17日に開催した役員選考委員会の選考結果を報告し、全会一致で決定した。また常務理事の選定について諮られ決定した。さらに名誉顧問、顧問が推薦され、会長が委嘱した。
新役員は次のとおり
(敬称略)
会 長 水落 敏栄
副会長 宇田川剱雄
同 市來健之助
名誉顧問 古賀 誠
同 尾辻 秀久
顧 問 森田 次夫
専務理事 畔上 和男
常務理事 永澤庄一郎、狩野安、山田大、國政隆昭、山下裕子、須賀宏江
監 事 田原 政信、池中征司
理 事【本部】水落敏栄、宇田川剱雄、畔上和男、狩野安、須賀宏江
【北海道】谷口達夫【岩手】甘竹勝郎【宮城】永澤庄一郎【山形】髙橋千藏【神奈川】岩田全弘【埼玉】江田肇【静岡】杉山英夫【栃木】木村好文【長野】横田久【富山】田林修一【福井】川崎善雄【岐阜】山田大【滋賀】大長弥宗治【和歌山】杉本正博【大阪】岡倉三郎【鳥取】國政隆昭【岡山】須々木壽志【山口】市來健之助【徳島】増矢稔【高知】大石綏子【佐賀】山口貢【長崎】山下裕子【宮崎】関谷忠【沖縄】宮城篤正
評議員(一部改選のみ記載)【神奈川】柴田倭敏【群馬】清水基衛【富山】中川祐吉
一般財団法人日本文化興隆財団が、硫黄島の戦没者遺族を対象とした、硫黄島訪島事業の参加者を募集していますのでご紹介いたします。
問い合わせ先:公益財団法人日本文化興隆財団 電話03-5775-1145
※この事業は日本遺族会主催ではありませんので、詳しいお問い合わせは日本文化興隆財団へお願いいたします。
日本遺族会は5月13日、全国の女性部幹部86人が東京の靖国会館に参集し「女性部結成65周年の集いを」開催した。靖国神社にて奉納式及び奉告参拝、靖国会館で研修会を開き、靖国神社山口宮司による記念講演といった記念行事を実施した。
本会女性部は昭和二29年に婦人部協議会として発足し、平成18年に戦没者の妻に女性の遺児を加え、名称を婦人部から女性部と改正し本年六十五周年の節目の年を迎えた。これを記念し「女性部結成65周年の集い」を開催した。
本会からは水落敏栄会長(参議院議員)、宇田川剱雄・市來健之助両副会長、畔上専務理事らが出席した。
午前11時、百田節子女性副部長の開会の辞で始まり、初めに水落会長が「時代は令和となり、私たち遺族会は後継者育成という大きな課題を抱えているが、世界の恒久平和を希求する活動を次世代に繋げるべく、青年部と共に活動していきましょう」と挨拶した。次に三浦妙子女性部長が「光輝ある遺族会の後継者として青年部が自立していくため、女性部の環境を整え、育成、指導、支援していくことが必要だ」と挨拶した。
午前11時30分、靖国神社参集殿にて、奉納式が行なわれ、三浦部長は玉串料を山口建史宮司に渡し、宮司から女性部に対し感謝状が贈呈された。続いて奉告参拝が行なわれ、参加者全員で本殿に進み玉串を奉奠した。
午後1時15分から、靖国神社山口建史宮司による「靖国神社の本質」を演題とした記念講演が行われ参加者は熱心に聞き入った。講演後、野間征子女性副部長の閉会の辞で終了した。
令和元年度(2019年度)政府予算は、3月27日の参議院本会議において成立した。本会が昨年12月、地元選出の自民党所属国会議員に対して行った陳情運動の結果、公務扶助料等の据え置きをはじめとする戦没者遺族の処遇改善や、遺骨収集事業関係費及び戦没者遺児による慰霊友好親善事業など概ね要望どおり予算化された。
本会関係では、昨年末の陳情運動を行った戦没者遺族の処遇改善項目に関する要望事項は、全国の遺族代表の熱心な運動を展開したことと、自民党所属国会議員の支援により概ね要望に沿った予算が得られた。
戦没者遺族の処遇改善では、恩給法関係における公務扶助料等は据え置きとなり、扶養加給も同額での支給が決まった。
遺骨収集事業等では、「硫黄島遺骨収集事業」に13億5900万円。「南方・旧ソ連地域遺骨収集事業」には7億5500万円(南方地域の遺骨調査に係る経費が3億100万円、遺骨収集費が3億2700万円等)、遺骨の鑑定費として1億9100万円等がついた。
戦没者慰霊事業等では、本会が厚生労働省から補助を受け実施している「戦没者遺児による慰霊友好親善事業」は、17地域に述べ900人を派遣する事業費として2億5900万円がついた。8月15日の「全国戦没者追悼式挙行経費」が1億5100万円(一県あたり国費参列者55人の2,585人。うち、少なくとも一人は18歳未満の遺族)がつけられた。
昭和館事業では、「昭和館の運営に係る経費」として4億8千万円がついた。