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日本遺族会会長 新年のあいさつ

2017年01月01日

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日本遺族会会長 水落敏栄

日本遺族会会長 水落敏栄

ご遺族の皆様にはお元気で新しい年をお迎えのことと拝察いたします。

昨年は熊本地震、鳥取地震や、台風などの自然災害により多くの地域で甚大な被害が発生しました。被災され、いまだ不自由な暮らしを余儀なくされている皆様に心よりお見舞を申し上げます。今後とも政府・与党一丸となって、復旧復興に全力を挙げて参ります。

昨年は天皇皇后両陛下のフィリピンご訪問、オバマ大統領の広島訪問、安倍総理の真珠湾訪問など、世界の恒久平和を願う出来事がたくさんありました。

中でも天皇陛下が象徴としてのお務めについて、直接国民にお話しになられたことに、強い衝撃を受けました。

陛下のお言葉を拝聴し、改めて戦没者とその遺族に対し、常にお心を寄せ続けていただいたことへの感謝と共に、両陛下が身を持ってお示しくださった「戦争の記憶を風化させない」ということを、日本遺族会会長として、いかに取り組んでいくか、重い課題を頂いたと受け止めています。

日本遺族会は本年創立七十周年を迎えます。本会の喫緊にして最大の課題は後継者の育成であり、その為、本会はもとより全国においても、後継者である青年部結成の活動に力を注いでいます。

戦争の風化を防ぎ、平和を語り継ぐことは、私たち遺族会に課せられた社会的責務であり、本会の創設理念であります。平和で豊かな時代に生まれた世代である「青年部」の結成は容易ではありません。しかし両陛下が折に触れお話し下さった「戦争の風化への危惧」「恒久平和の尊さ」を私たち遺族会が決意を新たに粘り強く発信し続けて参りましょう。

また、ご遺骨の収集を「国の責務」と明記した遺骨収集を推進する法律が、昨年三月成立しました。戦後七十一年余りが経過してもなお、未だ一一三万人のご遺骨が海外においてそのままになっている現状を、この法律の報道で知られた方もおられるでしょう。

私は、こうした現実を報道機関や学校教育を通じて伝えることこそが、戦争の悲惨さ、平和の尊さを考えるきっかけになると考えており、この法律にはそうした意義も含まれると思っています。そしてご遺骨の収集が推進されるよう、日本遺族会はこれからもあらゆる協力を重ねて参ります。

最後に昨夏の参議院選挙において、三期目の当選を果たすことが出来ました。加えて安倍改造内閣において、文部科学副大臣・内閣府副大臣を拝命いたしました。改めて皆様に頂戴しました温かいご支援を深く胸に刻み、与えていただいた使命、職責を全うすべく、真に豊かで安定した平和国家構築の為、教育施策の充実に精進努力を重ねて参りますので、引き続きご指導を賜りますようお願い申し上げます。

結びに、ご遺族皆様のご健康と平成二十九年がより良い年でありますことを心から祈念しご挨拶といたします。

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