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海外未送還遺骨情報収集事業

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タロキナ等で459柱  未送還遺骨情報収集

2013年12月02日

お知らせ, 活動情報, 海外未送還遺骨情報収集事業

海外未送還遺骨情報収集事業のビスマーク・ソロモン諸島地域第三次派遣団は、九月七日から二十一日までの期間、ブーゲンビル島のタロキナを中心に調査を行い、昨年に引き続き住民や現地行政機関の協力を得て、日本兵遺骨推定四百五十九柱を確認して収骨した。

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現地住民の協力で塹壕跡などから発見された戦没者の遺骨の一部=9月14日、ブーゲンビル島タロキナで

 

タロキナは、ブーゲンビル島の中西部に位置し、同地区へ通じる車道は無く、ボートでの渡航か、徒歩で険しい山谷(高い山で三千メートル)を何週間もかけて踏査する以外に訪問する術がない。

過去に本事業で何度も入り、多くの遺骨を確認していたが、現地住民からの反発が強く収骨することが許可されなかった。理由としては、タロキナが日米軍の戦闘で最も大きな被害を受けたこと、日本政府のODA等の支援でブーゲンビル島の東側の幹線道路は整備されたがタロキナだけは陸の孤島のような状態で残されたこと、住民が焼畑を行った際に日米軍が残した不発弾等により近年も死傷者をだしていること等があり、派遣団は日本兵の遺骨を収骨する以前の問題として、入域すらも許されない状況下で住民らから激しい詰問を受けた。

派遣団は、戦争の第三国である住民らの心情に配慮したうえで、日本で遺骨の帰還を待つ遺族の心情を訴え続けるとともに、診療所などの公共施設に小さいながらも発電機を寄贈するなど本事業を通じて本会独自の民間外交を重ねて住民らからの協力を得るに至った。

派遣団が調査したジャングルや山谷にはかつての戦場がほぼそのままの状態で残っており、塹壕跡などから日本兵のヘルメットや弾薬など共に多くの遺骨が生々しい姿で発見された。

戦場跡には、まだ多くの遺骨が眠っており、来年一月に本事業を実施する予定。現地に眠る多くの遺骨が帰還するためには、今後もタロキナ住民の協力が不可欠であり、日本政府や民間からの支援が求められる。

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